ビーコン対応 GPS トラッカー GW と SORACOM Lagoon で高度に可視化する
当ガイドでは、ビーコン対応 GPS トラッカー GW (以下、ビーコン GW) から送信されたデータを SORACOM Lagoon (以下、Lagoon) で可視化する方法を説明します。SORACOM Lagoon ではよりカスタマイズされた可視化を実現でき、テンプレートのインポート機能もあります。当ドキュメントでは以下の画像のようなダッシュボードが作成できます。
以下のステップに沿って解説します。
- ステップ 1: SORACOM Lagoon を有効化する
- ステップ 2: ビーコン対応 GPS トラッカー GW を設定する
- ステップ 3: SORACOM Lagoon のダッシュボード作成を準備する
- ステップ 4: SORACOM Lagoon のダッシュボードを作成する
- 応用: 今後のステップ
- 参考: サンプルダッシュボードで使用しているパネルの解説
当ガイドの前提は以下のとおりです。
- SORACOM のアカウントを作成済みであること(これから作成される方はこちらをご参照ください)
- ビーコン対応 GPS トラッカー GW をお持ちであること(購入は SORACOM IoT ストアなどより 1 個から可能です)
- アドバタイズモードでデータを送信する BLE センサーをお持ちであること (ビーコン対応 GPS トラッカー GW スターターキット (BLE 温湿度センサー 3 個セット)に付属する BLE センサーも利用できます)
- SORACOM の LTE-M 通信に対応した特定地域向け IoT SIM(plan-D/plan-KM1、nano サイズ)をお持ちであること (ビーコン対応 GPS トラッカー GW スターターキット (BLE 温湿度センサー 3 個セット)は plan-D nano サイズとセットで販売しております)
- Windows OS の PC をお持ちであること (ドライバ、キッティングツールは Windows 専用となります)
ステップ 1: SORACOM Lagoon を有効化する
SORACOMのユーザーコンソールにルートアカウントでログインし、サイドメニューの「データ収集・蓄積・可視化」>「SORACOM Lagoon」メニューをクリックします。
Lagoon を有効化する
「SORACOM Lagoonの利用を開始する」ボタンをクリックします。
パスワードを設定します。
このパスワードは SORACOM コンソールのルートアカウントのメールアドレスで Lagoon へログインする時に必要なパスワードとなります。
Lagoon へログインする
「SORACOM Lagoon にアクセス」ボタンをクリックします。
ルートアカウントのメールアドレスと先ほど設定したパスワードを入力しログインします。
以下のような画面が表示されていれば Lagoon の有効化・ログインは成功です。
ステップ 2: ビーコン対応 GPS トラッカー GWを設定する
SORACOM Lagoon では SORACOM Harvest Data に格納されたデータをソースに可視化します。まだ SORACOM Harvest Data を設定していない場合は ビーコン対応 GPS トラッカー GW で BLE センサー情報を送信するにしたがって、ビーコン GWのデータを SORACOM Harvest Data へ格納してください。
当サンプルダッシュボードでは ビーコン対応 GPS トラッカー GW スターターキット (BLE 温湿度センサー 3 個セット)に付属するBLE センサーを使用しています。またキッティングツールの「データ送信の設定 - ビーコン項目」にて、以下のように設定しています。このように設定し、3 種のセンサーをそれぞれの場所へ配置してください。
スロット | 設定 |
---|---|
1 | 要素1 (AdvA): 冷蔵室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度 |
2 | 要素1 (AdvA): 冷蔵室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度 |
3 | 要素1 (AdvA): 冷凍室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度 |
4 | 要素1 (AdvA): 冷凍室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度 |
5 | 要素1 (AdvA): 野菜室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度 |
6 | 要素1 (AdvA): 野菜室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度 |
ステップ 3: SORACOM Lagoon のダッシュボード作成を準備する
利用している ビーコン対応 GPS トラッカー GWのデータを可視化するため、ダッシュボードを準備します。
可視化する ビーコン対応 GPS トラッカー GW の IMSI を控える
ユーザーコンソールの SIM 管理メニューよりビーコン GW の SIM を選択、「詳細」をクリックします。
15 桁の数字の IMSI をテキストエディタなどに控えてください。ダッシュボードの作成に利用します。
サンプルダッシュボードを利用する
Lagoon では JSON 形式で記述されたモデルをインポートできます。全てのパネルを自身で作成することも可能ですが、作成したいイメージに近いサンプルダッシュボードをインポートできれば作成の時間を短縮でき、その後カスタマイズできます。
ここでは、インポートのためのテンプレートを作成します。ビーコン対応 GPS ゲートウェイトラッカーのサンプルダッシュボードを開き、「このダッシュボードを使う」をクリックします。当ページでは、SIM の IMSI をもとに Lagoon ダッシュボードのテンプレートを作成します。
先ほど控えた IMSI を入力し、「テンプレートを作成する」をクリックします。
これでテンプレートを作成できました。次のステップでダウンロードします。
ステップ 4: SORACOM Lagoon のダッシュボードを作成する
先ほど生成したテンプレートのダウンロード画面では「クリップボードへコピー」、「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックしてください。なお、今後のために保存しておきたい場合は「JSON ファイルとしてダウンロード」利用してください。
「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックすると、Lagoon のインポート画面に遷移します。「Or paste JSON」にて先ほどクリップボードにコピーした JSON を貼り付けてください。Windows の場合は Ctrl + V
、Mac OS の場合は ⌘ (Command) + V
で貼り付けできます。
インポートの詳細画面に遷移するので、「Import」をクリックします。
インポートに成功すれば、ダッシュボードが表示されます。
応用: 今後のステップ
ここまでで、カスタマイズされた可視化を実現できました。今後さらに Lagoon を活用する方法を紹介します。
パネルを追加・カスタマイズする
当ドキュメントではダッシュボード設定をインポートしましたが、Lagoon ではコードを書くことなくパネルの追加やカスタマイズができます。詳細な方法はSORACOM Lagoon を利用して様々なパネルを作成するを参照してください。また、参考: サンプルダッシュボードで使用しているパネルの解説を参照してサンプルダッシュボードで使われているパネルがどのように設定されているか参考にしてください。
アラートを設定する
Lagoon では閾値に応じてアラートを送信できます。たとえば温度が 10℃を超えたらメールを送信するといったアラートを設定できます。詳細はSORACOM Lagoon を利用してアラートを設定するやSORACOM Lagoon のアラートをカスタマイズするを参照してください。
ダッシュボードを共有する
Lagoon のダッシュボードは PC に限らずタブレット端末などでもブラウザ上で閲覧できます。また、Maker 以上のプランにアップグレードすると、閲覧専用のユーザーも作成できます。詳細はGetting started with SORACOM Lagoon - ダッシュボードを共有するを参照してください。
参考: サンプルダッシュボードで使用しているパネルの解説
各パネルについて解説します。なお、メトリックとは温度や湿度などの値を指します。
冷蔵庫の各室の温度 : SORACOM Image (イメージ)
設定方法は SORACOM Lagoon でSORACOM Image Panelを設定する も参照してください。
画像 タブ
- 背景画像の URL では冷蔵庫の画像を設定し固定表示しています
なお、「画像を追加」することで、各センサーの値に応じて変化する画像を設置できます。ソラコムでは利用可能なアイコンを公開しておりますのでご活用ください。(アイコンセットのURLは変更される場合がございますのでご了承ください)
センサー タブ (画像は冷蔵室に設置したセンサーの例)
- メトリック では設定したいメトリックおよび単位を設定しています。
- X/Y 座標 では値を表示する位置を指定しています。
- リンク ではマウスホバー時のテキストを設定しています。
温度 : Graph (グラフ)
設定方法はSORACOM Lagoon でグラフパネルを設定するも参照してください。
表示 タブ (画像は冷蔵室の例)
- 系列固有のオーバーライドを設定しています。
- snsX (X はメトリックによって異なる) の
Color
を設定して各メトリックの折れ線グラフに色を付けています。
- snsX (X はメトリックによって異なる) の
バッテリー残量 : Singlestat (シングルスタット)
設定方法はSORACOM Lagoon でシングルスタットパネルを設定するも参照してください。
オプション タブ (画像はバッテリー残量の例)
- 色 では電波強度もバッテリー残量もしきい値に応じた色を設定し、高い値では明るい黄色、低い値では暗い黄色にしています。
値
を有効にすることで、ゲージもここで設定した色に対応します。 - スパークライン の
表示
を有効にすることで、メトリックの履歴を可視化できます。 - ゲージ の
表示
を有効にすることで、メトリックの高低を分かりやすく可視化できます。最小値
、最大値
は ビーコン対応 GPS トラッカー GW 機能の説明に記載されたペイロードの範囲に沿って設定しています。
値のマッピング タブ (画像はバッテリー残量の例)
- タイプ に
値をテキストにマッピング
を指定して、メトリックの各数字を意味にマッピングしています。メトリックの各数字が固有の意味を持つ場合に有効です。
データの履歴 : Table (テーブル)
当サンプルダッシュボードではテーブルパネルをカスタマイズしていません。カスタマイズしたい場合は SORACOM Lagoon のテーブルパネルをカスタマイズする参照してください。設定方法はSORACOM Lagoon でグラフパネルを設定するも参照してください。
各パネル設定の解説 : Text (テキスト)
設定方法はSORACOM Lagoon でテキストパネルを設定するも参照してください。
Options タブ
- Mode に
html
を指定して、Content に当ドキュメントへのリンクを記載しています。